2026/01/27
冬になると、「なぜか血糖値が上がってきた」「HbA1cが悪化した」と感じる方が少なくありません。これは気のせいではなく、冬特有の生活環境や体の変化が大きく関係しています。糖尿病専門医の立場から見ると、冬は血糖管理と血管イベントの両方に注意が必要な季節です。
まず大きな要因が運動不足です。寒さのため外出の機会が減り、歩く距離や活動量が自然と少なくなります。運動量が減ると、筋肉での糖の利用が低下し、血糖値は上がりやすくなります。
次に食事内容の変化も重要です。冬は鍋料理や炭水化物が多い食事、間食が増えやすく、知らないうちに摂取カロリーが増えがちです。また、年末年始は食事時間が不規則になり、血糖の変動が大きくなることもあります。こうした積み重ねが、冬場の血糖悪化につながります。
さらに見逃してはいけないのが、心血管イベントのリスク増加です。寒さによって血管が収縮し、血圧が上がりやすくなります。糖尿病がある方では、すでに動脈硬化が進行している場合も多く、冬は心筋梗塞や脳卒中が起こりやすい季節とされています。血糖値が多少悪化した状態が続くことも、血管への負担を増やします。
糖尿病専門医は、冬場こそ「数値の変化の理由」を丁寧に評価し、生活状況に合わせた対策を考えます。無理な運動ではなく、室内でできる軽い体操や、食事内容の調整、血圧管理も含めた総合的な視点が重要です。冬を安全に乗り切ることが、年間を通した安定した糖尿病管理につながります。
